営業活動の未来

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セールス・イネーブルメント

営業活動の新しい取り組みとして、セールス・イネーブルメントが注目されています。セールス・イネーブルメントとは、セールスフォースを強化するための一連の取組のことです。

「セールス・イネーブルメントとは、組織内のすべての部署に、見込客中心の発想を広げるものである。この概念は、一種のエコシステムであり、組織内のあらゆる階層や境界を乗り越えるものである」

Bray (2007) *1

セールス・イネーブルメントの目的は、営業組織を改善し営業力を早期に強化することです。セールス・イネーブルメントは、人(People)プロセス(Process)業績(Performance)の3Pを結びつける枠組みとして、今後の営業活動で重要性を増していくことと思われます。

セールス・イネーブルメントのフレームワーク 出典: Rangarajan、2020*2

今後の営業活動

今後の営業活動はどのようになっていくのでしょうか。ここでは、その展望をしてみたいと思います。

起こりそうな方向性としては、IT進展による営業活動のスマート化があるでしょう。飛び込み営業やいわゆるテレアポによる「数を打ってあたるのを待つ」営業活動は、無駄が多いことが指摘されています。人手不足の今日では、こうした営業活動は、経営資源の資源の無駄遣いであると言えます。

今後、AI(エージェント、ボット)の普及によって人間の役割が変われば、従来の営業活動のあり方は大きく変貌することでしょう。

新しい営業の場:メタバース

また、営業活動の場(プラットフォーム)についても変化が起こりそうです。現在最も注目されているのがメタバースです。

2022年時点で、Meta社(旧Facebook)はZoom社とのコラボレーションで、ホライズン・ワークルーム(Horizon Workrooms)というVR会議ツームを提供しています。同様に、マイクロソフト社がMeshという名前の会議ツールの提供を発表しています。こちらは、MR(Mixed Reality、複合現実)によるものです。

その他、アップル社はAR(Augmented Reality、拡張現実/VRヘッドセット、ソニーもVRヘッドセットの発売を発表するなど、有力メーカーの参入が相次いでいます。リモート営業の次には、メタバースを用いた営業活動が行われるようになるかも知れません。今後のメタバースの普及状況から目が離せません。

参考資料

  1. Cory Bray、Hilmon Sorey、”The Sales Enablement Playbook,”CreateSpace Independent Publishing Platform、2017
  2. Rangarajan, D., R. Dugan, M. Rouziou and M. Kunkle (2020). “People, Process, and Performance: Setting an agenda for sales enablement research.” Journal of Personal Selling & Sales Management 40(3): 213-220.
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