インサイドセールスとは
インサイドセールスは、見込み顧客に対して遠隔から働きかける新しい営業手法です。2020年のコロナ禍により、多くの人がリモート勤務を余儀なくされました。その影響で増えたリモート営業(後述)は、インサイドセールスの一種であるともいえます。
インサイドセールスは、以前からデジタル化の進展等により注目され、少しずつその取組が拡大されてきました。また、働き方改革による労働慣行の変化やDXなどの新しい動きも、インサイドセールスの普及を後押ししてきました(図参照)。
インサイドセールスの定義
インサイドセールスは次のように定義されます。
インサイドセールスという言葉
インサイドセールスという言葉は、テレ・マーケティングやテレ・セールスと区別するために、1980年代後半に生まれたとされています * 2。インサイドセールスという場合には、より複雑でハイタッチなオンライン・ベースの企業間(B2B)や消費者間(B2C)の電子商取引(EC)活動を意味しています。ハイタッチとは、コミュニケーションの密度が高いことです。従来の対面営業(アウトサイドセールス)と区別するための言葉として使われるようになったのは、1990年代後半から2000年代初頭にかけてであるとされています * 2。
通常の営業活動は、客先のオフィスを訪問することが中心です。こういった営業活動のことを対面営業(アウトサイドセールス)や外勤営業(フィールド・セールス)と呼んでいました。これに対してインサイドセールスでは、電話やメール、チャット、WEB会議システム、SNSなどを用いて、顧客と接触します。従来の営業活動(いわゆる外勤営業)は、社外に飛びしておこなう対人接触型であるのに対して、インサイドセールスは、社内からおこなう遠隔(リモート)型です。
インサイド・セールスの本質
インサイドセールスの本質は、端的に言えばリモート・セールスであるとも言われます *3。最近では、バーチャル・セールスやプロフェッショナル・セールスなどと呼ばれることもあります。
インサイドセールスの利点は、フィールド・セールスに比較すると顧客獲得コストが有利な点です。顧客との一件の面談に対して発生するコストには、客先までの往復の移動時間、面談の準備時間、面談時の本題に入る前の雑談時間など、が含まれます。インサイドセールスでは、事前準備や移動時間等残すとを削減できますから、フィールド・セールスと比較をすると、顧客獲得コスト(CPA:Cusomer Price of Acquisition)が有利になります。
参考資料
* 1 Homburg, C., T. R. Morguet and S. Hohenberg (2021). “Incentivizing of inside sales units — the interplay of incentive types and unit structures.” Journal of Personal Selling & Sales Management: 1-43.
* 2 ”What Is Inside Sales? The Definition Of Inside Sales” https://www.forbes.com/sites/kenkrogue/2013/02/26/what-is-inside-sales-the-definition-of-inside-sales/#573097766d81
* 3 What is Inside Sales? — Our Definition of Inside Sales” http://www.kenkrogue.com/inside-sales/what-is-inside-sales/