【Ins-2】インサイドセールスが機能する仕組み

どうやって客先に訪問しないで営業活動が展開できるのでしょうか?また、新規顧客の開拓は本当にできるのでしょうか?こうしたことを実現するためには、見込顧客(ProspectとかLeadと呼びます)についての考え方を更新する必要があります。

目次

潜在顧客との接点

まず、潜在顧客との接点ですが、マスメディアを通じた広告があります。さらに、インターネット上のWEB広告も有効な手段です。こうした広告を見て、問い合わせの電話やメールが来れば、そこから新たに見込み客との接点が生まれます。あるいは、無料で参考資料を提供するといいながら、そのためには個人情報(氏名、勤務先、メールアドレス)等を入力することを求めます。それ以外には、セミナーや展示会などがあります。それらの催しに参加する場合、名刺の提出が求められます(注:多くの場合2枚要求されます)。こうした努力によって、新たに見込顧客の情報を収集します。

従来のアプローチ

従来であれば、収集した情報に基づいて既存の営業部隊が客先に連絡し、アポイントメントを取って訪問するという流れでした。その場合、見込顧客の状況はさまざまであり、営業効率が悪くなります。すぐにでも製品やサービスを購入したい顧客もいれば、将来の購買検討に向けての参考にするための情報収集の段階にすぎない顧客もいます。また、すぐにでも営業員に来社してもらいたい顧客もいれば、メール等での連絡だけで十分な顧客もいます。従って、顧客側の本当のニーズを確かめた後で、適切な営業活動を取ることが求められます。

テレアポとの違い

インサイド・セールスを実践することによって、顧客の現時点でのニーズを探り、それにふさわしい現場の営業員に引き継ぐことで、営業活動の効率化を実現することができます。これがインサイド・セールスが単なるテレアポではない、といわれるゆえんです。

インサイド・セールスとファネル構造

インサイド・セールスによって、顧客ナーチャリング(養成)をおこない、顧客を絞り込みます(図:ファネル構造)。インサイド・セールスをおこなうことでファネル構造を確立し、精度の高い見込み客情報を現場の営業員に引き続ことによって、効率的な営業活動を行うことが期待できます。

図:ファネル構造
出典: 『インサイドセールス 究極の営業術』p.16より 改変・編集

インサイド・セールスにおける購買プロセスと顧客ステージ

購買プロセス

インサイドセールスでは、顧客の購買プロセスと顧客の状態を注意深く管理します。購買プロセスとは、顧客が購買意志決定をおこなう際にたどる流れです(図:購買プロセスの流れ)。ここでのポイントは、営業側の売りたいという本音ではなく、あくまでも顧客目線に立って対応する点にあります。


購買プロセスは、顧客が自分の抱えている問題について認識するところから始まります。そして問題を解決するために必要な要件を明らかにします。必要な要件をもとに、候補となる製品やサービス、購入先の業者の選定をします。また、業者から見積もりを取ります。業者からの見積もりを受け取ったら、社内で評価をして発注先を決定します。また、取引条件を決定します。社内の正式な決定を受けて業者との交渉をおこないます。

図:購買プロセスの流れ

顧客ステージ

一方、顧客ステージとは、購買に関してどのような段階にいるかを現したものです(図:顧客ステージ)。一般的には、購買プロセスの進展とともに変化していきます。潜在的な見込み客の段階から、見込み客、商談先、というように少しずつステージをあげていきます。契約締結後、晴れて新規顧客となり、取引が継続するとやがて優良顧客に発展していきます。

図:顧客ステージ

参考資料

水嶋玲以仁 、『インサイドセールス 究極の営業術』、ダイヤモンド社、2018

あわせて読みたい
SNSでシェアしましょう
  • URLをコピーしました!
目次