【Ins-3】インサイドセールスと組織

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インサイドセールスの成功率

新しい取り組みのインサイドセールスですが、何か注意する点はないでしょうか?

図は顧客との関係を商談成功確率について分析結果です *。また、予測分析、データマイニング、その他のビジネス・インテリジェンス・ツールを活用すると、インサイドセールス・チームの業務効率を向上させ、売上増加に役立つことを示しています。

図:売手-買手間の信頼と商談成功確率


営業組織におけるインサイドセールス

インサイドセールスは今後の営業活動の新しいスタイルとして注目されています。しかしながら、現時点ですべての営業活動をインサイドセールスによって置き換えてしまうことは、非現実的です。まだしばらくの間は、既存の営業組織による従来からの営業活動も、引き続き行われていくでしょう。そうなると、営業組織の管理をする際には、インサイドセールスの組織と既存の営業活動の組織との間での棲み分けと共存が必要になります。

そうした場合の新しい概念として、インサイドセールスとアウトサイドセールスの二つの組織にオンライン販売チャネルを組み合わせた、ハイブリッドな営業体制が提唱されています(下図参照)。

図:ハイブリッド営業体制 *2

インサイドセールスの動機付け

新しい営業活動としてのインサイドセールスが増えるにつれて、今後はインサイドセールス組織に対する管理方法について、留意する必要があります。

そもそも営業組織には、営業グループ、営業チーム、という異なった性質の集合体があります。営業グループとは営業部門、同じメンバー同士が配属されていて、営業活動そのものは、一人一人の営業員が分担します。営業チームの場合は、複数の営業員が一緒に営業活動をおこないます。

インサイドセールスの場合は、このどちらでもないインサイドセールス・ユニットとして扱われる場合が多くなります。インサイドセールス・ユニットは、他の営業員とのタスク同士で依存関係が低いという観点からは営業グループ的であり、最終的に業績に非常に影響されるという点からは営業チーム的である、というように異なった性質をもっています。
その結果、インサイドセールス・ユニットに対するインセンティブの効果が、他のグループとは異なっているという調査もあります * 3。インサイドセールスの業績に対して適切な処遇を下すことは、これからの営業管理における重要な課題となっていくでしょう。

参考文献

  1. Gessner, G. and R. A. Scott (2009). “Using Business Intelligence Tools to Help Manage Costs and Effectiveness of Business-to-Business Inside-Sales Programs.” Information Systems Management 26(2): 199-208.
  2. Homburg, C., T. R. Morguet and S. Hohenberg (2021). “Incentivizing of inside sales units — the interplay of incentive types and unit structures.” Journal of Personal Selling & Sales Management: 1-43.
  3. Thaichon, P., J. Surachartkumtonkun, S. Quach, S. Weaven and R. W. Palmatier (2018). “Hybrid sales structures in the age of e-commerce.” Journal of Personal Selling & Sales Management 38(3): 277-302.
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