【SMI-4】営業部門とその他の部門の連携

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営業ーマーケティング連携研究(Sales–Marketing Interface、SMI)

営業とマーケティングとの間の連携に関しては、営業ーマーケティング連携研究(Sales–Marketing Interface、SMI)としての研究が進められていたことは、以前お話ししました。

その流れの中で、営業とマーケティングが協力することで、会社が一丸となって顧客価値の創造につながるとするフレームワーク(概念)が提案されています Hughes等(2012)。その概念の中では、マーケティング以外にも、人事部や生産部門、法務部門、財務部門等との連携が推奨されています。

志向性の違い(顧客志向 vs 競合志向)と営業とマーケティングの統合度合いの組合わせが反対向きに作用すること、また、両者の統合度合いが業績に反比例している(統合が進んでいるほど業績がいい)という結果も報告されています Sleep等(2018) 。

営業とその他の部門との連携

厳密に言えば、SMIにはあてはまりませんが、営業部門と社内の他部門との連携も重要な課題です。

営業員の社内ネットワークについての分析をおこなった研究では 、人間関係の量(リンク数)と強さによって、営業員の業績に差が出ることを明らかにしています( Claroら(2018)。

簡単にまとめると、マーケティング部門との間では、リンクの数が少なくて強い関係のネットワークを構築している方が、営業員の業績を上げることがわかりました。その反面、お客様相談部との間では、リンクの数が多く弱い関係のネットワークが、営業員の業績には有効であることを示しています。

お客様相談部との連携は注意が必要?

研究者はこの結果を、以下のように解釈しています。

マーケティング部門との間では、リンクの数が多いとコミュニケーションのための手間暇が掛かるために好ましくない、というのが大きな理由です。逆に、強い関係は、顧客へのソリューションの内容を考案する時に役に立つからです。

一方、お客様相談部との間では、顧客への迅速な対応のためには、より多くのリンクを持っていた方が有利です。ただし、セールスパーソンは常に新規顧客開拓が優先されるのに対し、お客様相談部の関心は顧客が既購入自社製品を長く使うことにあって、利害が対立しています。従って、弱い関係の方が利害の対立が表面化しないため好ましいと結論づけています。

参考資料

Claro, D. P. and C. Ramos (2018). “Sales intrafirm networks and the performance impact of sales cross-functional collaboration with marketing and customer service.” Journal of Personal Selling & Sales Management 38(2): 172-190.

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